私たちは多くのものを目で見て把握しています。
そして実際には目で見ることのできないものも、
どうにかして、ミエルモノにしたいという欲望に溢れています。

私たちは、物事の多くが目に見えると思っていますが、
実はこの世界はすべてミエナイモノから出来ていて、
それを人間がミエルモノにした気でいるだけなのかもしれません。

本展の作品は、
ミエルモノとミエナイモノの狭間、その狭間について、
私達に問いを投げかけているように感じます。

今回、本棚にはミエナイモノの本を集めてみました。
そこには、さまざまな形で「ミエナイモノ」が「ミエルモノ」となる、
その狭間が垣間見えます。
それは、作品によって投げかけられた問いに対する、思考のヒントになるはずです。

本を読みながら、自分の周りのものが本当に「ミエルモノ」なのか、
思いを巡らせてみてください。